知ってるようで知らないお薬シリーズ③葛根湯

24e213cb8256d525a1d4da217ccdd73f_s

風邪をひいたとき、あなたは何を服みますか?
カタカナの名前がついている総合感冒薬という人もいれば、葛根湯の名前を挙げる人もいます。
葛根湯は本来漢方薬ですが、カコナールなど、飲みやすくとっつきやすい形で販売されているものもあって知名度は高いでしょう。

■身近だけどよく知らない葛根湯

さて、知名度はとても高い風邪のための漢方薬である葛根湯ですが、その成分や効能について正確に知っているかといえば、そうでもない人が多いようです。
「風邪に効く漢方みたいだけど、よくわからない」
「やっぱり漢方って効き目が優しいから、イマイチだよね」
というのが実際のところではないでしょうか。
けれども、それは正しい使い方を知らないことからくるイメージなのかもしれません。
葛根湯とはどんなお薬なのか、学んでいきましょう。

■葛根湯という漢方

さて、化学的に合成された西洋の薬と、生薬を組み合わせた東洋の薬では、そもそも働きが違うというところからお話したいと思います。
風邪をひいて色々な症状が出るとき、西洋の(つまり一般的な)総合感冒薬は、その症状ひとつひとつを抑えていきます。
熱と頭痛と筋肉痛に解熱鎮痛剤、咳たんに鎮咳去痰剤、鼻水に抗ヒスタミン剤など、ウイルスに冒された結果として出てくる不快な症状を抑える力があります。
それだけに、効き目はわかりやすいです。体質の個人差や風邪の進行度合いにかかわりなく、症状を緩和させます。
しかし、風邪そのものを根治することはできないという性質のものでもあります。

一方、漢方薬である葛根湯の場合、症状を抑えてやわらげるというものではありません。
葛根湯に含まれる成分のうち、麻黄・桂枝・葛根は発汗を促して風邪を追い出したり、血行を良くして筋肉の痛みをとります。
これが主なはたらきであり、生姜は胃腸を保護しながら発汗作用を強めたり、大棗は生姜の胃腸保護機能と芍薬のサポートをしたりして風邪に効いていきます。
葛根湯は、痛みだけをとる、熱をおさえる、というよりも、汗を出して体の中から治癒させていく、という効き方になるのです。

■葛根湯の飲み方

・体質的なこと
このように繊細で複雑な性質をもつのが漢方ですので、体質的な合う合わないがあります。
葛根湯の場合は、普段から汗かきの暑がりさんにはあまり効きません。
それから、虚弱体質で胃腸の弱い人には麻黄が合わないので飲まないほうがよいです。

・飲み方
さて、飲み方ですが、これは葛根湯に限らず「~湯」とつく漢方にほぼ共通したものなので覚えておくとよいでしょう。

まず、飲む時間は食前や食間など胃が空っぽなときが好ましいです。
漢方は色々な生薬が混ざっており、また西洋薬よりも効果がマイルドな傾向にあるので、他の飲食物と一緒にとると効き目が悪くなってしまいます。

それから、服用する場合はお湯に溶かしたりお湯で飲むのが好ましいです。
水で飲むこともできますが、本来「~湯」は、生薬を煎じてお茶のようにゆっくり飲むタイプのものですから、ゴクゴクと水で飲んでしまわないほうがよいでしょう。
特に葛根湯の場合、体をじんわりと温める作用が大事ですので、やはりお茶のようにゆったりと飲んで体にしみこませましょう。

・タイミング
葛根湯を飲んで効果がしっかり出るには、服用のタイミングが重要です。
風邪に効かせたい場合、咳が出て鼻水ズルズルになってからでは間に合わないのが葛根湯。
もっと早い初期段階、例えばなんとなくだるい、ちょっと寒気がする、首のあたりが痛いように感じるといった場合、これが葛根湯のベストタイミングです。ぜひ飲んで早めに風邪を追い出してしまいましょう!

■葛根湯がすべてではない

いかがでしたか?
葛根湯について詳しく知らないまま飲んで効き目がいまいちだったという方も、この情報を参考にしていただければ効果が出やすくなります。
葛根湯は風邪の薬としてはとても有名になりましたが、風邪とは色々なウイルスが引き起こす色々なタイプの症候群です。中には葛根湯ではあまり意味のない風邪もあります。進行してしまって苦しい風邪には、つらい症状をおさえて体力の消耗をやわらげる西洋薬が必要なときもあります。葛根湯がすべてではないのです。状況に応じてかしこく利用したいですね。
ひきはじめのタイミングをつかんでゆったりと服用し、体の中から邪気を追い出す。
そんな葛根湯は、体の声に耳を傾けたいナチュラリストの方に向いているお薬だといえるでしょう。

関連記事

今月のイベント一覧

開催イベント一覧

ページ上部へ戻る