知ってるようで知らないお薬シリーズ①風邪薬

Medicine

みなさん、お元気ですか?
気温や天候の変化にともなって、今年も風邪をひいている人がいるかと思います。
風邪をひいたら風邪薬、と言いたいところですが、ちょっと待った!
今回は意外と知られていない、市販の風邪薬についてご説明したいと思います。

■「風邪」って医学的にはどういうもの?

風邪をひくと、鼻水が出たり咳が出たりしますよね。
風邪は、正式には「感冒」や「急性上気道炎」と呼ばれます。鼻から口までの息の通り道を上気道といいますが、急に鼻水が出たり咳が出たりする症状をそのまま言い表していますね。
この「感冒」、「急性上気道炎」は、主にウイルスに感染することで起こるものです。中には、一部の細菌などが関係しているものもありますが基本的にはウイルスによるものが多いです。

■「風邪」に効く薬はない!?

風邪はウイルスによって起こる、それならばウイルスを退治する薬を飲めばいいじゃない、と思われるかもしれませんが、実はそう簡単にはいかないのです。
風邪の症状を引き起こすウイルスの数は、なんと100種類以上にのぼります。もっとも代表的なものだけでも10種類ほどあり、それらを一度に退治するワクチンなどは、現時点では存在しないのです。したがって、風邪に効く薬というのは、残念ながらないのが現状です。

■風邪の「症状」をおさえる風邪薬

じゃあ、薬屋さんに並んでいるあのたくさんの風邪薬は何なの?と思われるかもしれませんね。あれらは、じつは風邪の症状をおさえるための成分が配合されているものなのです。

風邪薬の基本的な成分は、抗炎症剤に抗ヒスタミン剤、鎮咳・気管拡張剤とそれにセットで用いられる去たん剤といったものになります。

抗炎症剤は、解熱鎮痛作用があります。いろいろな炎症や、それに伴う痛み、熱などをやわらげるものです。熱や頭痛、筋肉痛のあるときに有効です。イブプロフェンやアセトアミノフェン、塩化リゾチームといったものが代表的です。頭痛薬の成分のようなものと思えばよいでしょう。

抗ヒスタミン剤は、抗アレルギー作用があります。風邪につきもののくしゃみや鼻水といった症状をやわらげてくれます。代表的なものは塩酸ジフェンヒドラミンやマレイン酸クロルフェニラミンといったもので、点鼻薬や湿疹等皮膚炎の薬にも入っているものです。

鎮咳・気管拡張剤は、風邪の最も代表的な症状である咳に働きかける成分です。ジヒドロコデインやノスカピン、エフェドリンなどがポピュラーで、咳止めの薬に使われます。
これとセットで、グアイフェネシンやカルボシステインといった痰を切れやすくする去たん剤も配合されます。

このように、各種の成分がそれぞれの働きで風邪の諸症状を抑えてくれるのが風邪薬になります。
各種の成分がまんべんなく入っているものが総合かぜ薬であり、なんとなく万能な印象を受けますが、必要のない成分まで摂取する必要は実はありません。むしろ、成分がぶつかりあって体に負担をかけることもあります。
とくに気になる症状、たとえば咳なら咳止め、熱や筋肉痛が辛ければ解熱鎮痛剤というようにピンポイントなものを服用するほうが無駄がなくかしこい使い方だといえるでしょう。
風邪薬の中には、CMや広告などで有名な、効きそうなイメージのものもありますが、だからといってそれが特別よく効くとは限りません。薬局の方に「おすすめはどれですか」「安くて○○に効くものはどれですか」と聞いていくつか選んでもらい、その中から自分で選ぶのがかしこい選び方です。
とはいえ、薬にはプラセボ効果もあるので、「いや、それでも○○製薬の○○がいいと思う」という方はそれを飲むのが一番よいでしょう。

■風邪の症状をおさえたほうがいい場合、おさえないほうがいい場合

例えば、咳がひどくて体力を消耗するのが辛く感じたり、咳き込みすぎて喉が切れてしまっているときなどは体への負担が大きくなりますので咳止めの成分で緩和するのがよいでしょう。
また、肉体的にはそこまで辛くなくても、鼻水が出すぎてみっともない、鼻のかみすぎで鼻の下が痛くなりすり切れて気になってしまうというような場合も、セルフイメージを保つために抗ヒスタミン剤などを利用するのは有効なことです。

とはいえ、自然な体の反応である諸症状は無理に抑えないほうがよいのも事実です。仕事などの都合上、どうしても、どうしても症状を抑え込んでやらなければいけないという場合もあるでしょうが、本来、症状は起こるべくして起こっているものです。不快な症状であっても、熱を出してウイルスを殺す、咳や鼻水などでウイルスを追い出すという役割があります。ですので、状況が許すなら安易に薬を飲まず、安静に消化のよい栄養をとって休みながら自然治癒力を働かせるのが人体にとって最もよい選択といえます。

■結局、薬は飲んだほうがいいの?

前の項目で風邪薬を服用したほうがよい場合とそうでない場合を挙げましたが、病は気からという言葉があるように、気持ち的な効果も大切ではあります。
たとえば、風邪をひいて気持ちまで弱っている人であれば、みじめな気持ちで症状を耐えるのはつらいことです。それよりも少しでも楽になったり、あるいは薬を飲んだという安心感、症状をコントロールできるという感覚が得られるほうがよいと言えます。
また、お年寄りや小さいお子さんなども、気持ちが弱くなったり体力が弱かったりしますので、本人が少しでもつらそうな場合は飲みたいお薬を飲ませてあげるとよいでしょう。お子さんの場合は、体に塗るタイプの風邪薬をお母さん・お父さんが塗ってあげたりすると、つらくて心細くなっているお子さんに愛情が伝わって親子の絆も深まっていくでしょう。

■さいごに

風邪は、引かなくてすめばそれが一番なので理想を言えば普段からの生活習慣で健康管理することが大切です。けれども日々、いろいろな都合で健康管理がおろそかになり体調を崩してしまうことだってあります。そんな時、適切なお薬の知識を持って上手に対処できればいいですよね。もし今度市販薬を買われた時などは、箱や説明書を読んでどんな成分が入っているのか調べてみるとよいでしょう。自分の使うお薬を理解して、適切にセルフメディケーションしてみてください。

関連記事

今月のイベント一覧

開催イベント一覧

ページ上部へ戻る