実は知らない暮らしの知識シリーズ④正しい味噌汁の作り方とその魅力

74949b8cf632ac8942f437953fed56ba_s

「俺の味噌汁を作ってくれ」
そんなプロポーズの言葉はもう過去のフレーズでしょうか。
日本には洋食文化が流入して久しく、それが日本人の和食離れを招きました。
それだけでなく、現代の多忙で便利なライフスタイルの中には外食やインスタント食品がすっかり入り込み、正しい和食の作り方がわからない人も多いと聞きます。
本来であれば家庭内で旦那さんや子供のために愛情料理を作っていたはずの専業主婦の方でも、現代ではきちんと料理ができるとは限りません。ネットの掲示板で「メシマズ嫁」のスレッドが大盛況で、面白いやら恐ろしいやらといったところでしょうか。
そんな憂うべき現代のキッチン事情、放ってはおけません。今回は、インスタントではない正しい味噌汁の作り方を学んでいきましょう。

■だしの「旨味」
人の味覚を構成する要素。甘い、酸っぱい、塩辛い、苦いといった基本的な味のほかに、「旨味」という味があることを1908年に日本人が発見しました。
日本の料理の基本には、昆布、鰹節、煮干し、しいたけなどからとるだし汁の味がありました。だしが出ていることは、イコール料理のおいしさでもありました。
現在、加工食品などに入っている旨味調味料(アミノ酸等)は、この旨味の成分を科学的に精製したものです。天然の成分と違い、過度に加えると味にトゲが出たり、大量摂取すると健康被害を及ぼすことがありますが、流通している食品の多くにこれが添加されているということはつまり、旨味が味覚にとってとても大事なものであるということでもあります。

■味噌の栄養
味噌がヘルシーであることはよく知られていますね。味噌の原料は大豆です。大豆は良質の植物性たんぱく質が豊富ですが、それが発酵することによってさまざまなアミノ酸や各種ビタミン・ミネラルが生まれます(この、アミノ酸が旨味の成分です)。また、大豆を構成する炭水化物もブドウ糖に分解されてスムーズに吸収されるエネルギーとなります。レシチンやイソフラボンといった大豆の持つ成分も、がんをはじめとした生活習慣病の予防に役立ち、味噌はとても魅力的な調味料であるといえるのです。

■ヘルシーな植物性の具
味噌汁の具は、わかめ、とうふ、ねぎ、おあげといった植物性のものばかりです。
具としては決して豪華なものではなく、安価でシンプルなありふれたものですが、間違いなくヘルシーです。
また、具材は質素でも、きちんとだしが効いて味噌のとけこんだ味噌汁には旨味成分がたっぷり。
江戸時代などは、おいしいご飯と味噌汁、そしてお漬物があればそれで十分という人も多かったといいますが、本当においしい味噌汁と十分な量のごはんがあれば、確かに現代でも十分おいしい食事になりえます。
味噌汁は、日本的なだけでなく、健康的なだけでもなく、何よりお財布と地球にやさしい食卓のおともなのです。

■味噌汁の作り方
さて、これらを踏まえて、正しい味噌汁の作り方を見ていきましょう。

まず、だしをとります。頭とはらわたを取ってちぎった煮干しを水から入れて加熱し、煮立つ前に泡と一緒に取り出します。
うまみ成分の相乗効果を狙って、干ししいたけの戻し汁や昆布の粉末などを入れるのもよいでしょう。
このだしの取り方は一例です。
だしをとる素材は、煮干し、鰹節、昆布、干ししいたけですが、それぞれに方法があります。また、植物性の旨味と動物性の旨味を合わせるとおいしさが変わりますので何パターンか試してみてもよいでしょう。
簡単にできるだしの取り方
スーパーなどには、かつお風味だし顆粒などが並んでいますが、それはあくまでインスタントなもの。もちろん手軽なおいしさはありますし忙しい朝にはこれで十分ですが、まず一度はきちんと素材からだしを取ってみましょう。

さて、次に具です。具は何を入れても自由ですが、、わかめ、とうふ、ねぎ、おあげといったスタンダードなものを2, 3組み合わせるとよいでしょう。わかめは先に戻しておき、軽く水切りをしてから入れます。食べやすくするために豆腐は小さくさいの目に切ります。ねぎ、おあげも小さくきざみます。
鍋に入れる順番としては、とうふやおあげを先に入れます。ねぎは、食感を大事にしたいときは煮すぎないように。わかめは煮込んでしまうとドロドロになってしまうので、最後に入れるぐらいでよいでしょう。
もし、にんじんなどの根菜や火の通りにくいものを入れる場合は、一番先に入れてやわらかくしてから他の具を入れていきます。

最後に味噌。具に火が通ったら一旦火をとめます。おたまにすくった味噌を鍋に入れ、菜箸で塊が残らないよう少しずつ溶かして混ぜます。
味噌を入れたら再加熱しますが、ここがポイント。汁が加熱されてきて、ぐつぐつとなる直前に火を止めます。このタイミングが味噌の風味を最高に引き出します。決して煮立ててはいけません。味噌の繊細な味と香りが飛んでいってしまいます。
使用する味噌はお好みのものでどうぞ。毎日のように飲む味噌汁が飽きてしまうとつまらないので、変化をつけるために白みそと赤みそなどをいくつか揃えておき適宜調合するとよいでしょう。
今回はきちんとだしを取っているのでふつうの味噌でよいですが、毎朝だしなんか取っていられない!味噌汁用意するだけ立派でしょ!という忙しい方には、だし入りみそをおすすめします。

■まとめ
今回は、だしからとる味噌汁の正しい作り方をご紹介しました。
冒頭では主婦の方を想定した書き方になりましたが、日本人であれば男女を問わず押さえておきたい基本の料理だと言うことができます。
日本の朝ごはんは、何はなくとも味噌汁とご飯があればさまになります。無形文化遺産に登録された、世界が認める和食の魂、それが味噌汁です。このシンプルでおいしく健康的な一品を身につければ、あなたも真のクールな日本人になれるでしょう。

関連記事

今月のイベント一覧

開催イベント一覧

ページ上部へ戻る